MM理論(最適資本構成) 無借金経営は本当にいいことなのか

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企業の無借金経営と借金経営 どちらがいいのでしょう。
誰に聞いても無借金経営の方がいいに決まっていると答えるでしょう。私もそう答えます。
しかし先日ファイナンスの本の中に出てきた「MM理論」。この理論によると企業の無借金経営よりも借金システムがより高い価値を生み出すというものでした。

MM理論とはモジリアーニとミラーによって提唱された定理で、「法人税を無視すれば企業価値は資本構成や配当政策によって変化しない」という定理です。また、株式の払い戻しは配当の支払いと同じ効果を持つとするものであります。ただし、完全市場の前提に立つ理論であることから、完全市場でない現実のマーケットにおいては、結果的にはアービトラージの概念がどれだけ企業価値に影響するかを示すと読み替えられます。モジリアーニ・ミラーの定理で、法人税を考慮した場合、(有利子負債の調達レート以上の利益を獲得できる限り)負債による資本調達を行った方が、節税効果分、企業価値が高くなる事になります。

 

実際に計算してみました。上記の文章で出てきた企業価値とは債権者と株主を足したもののことです。本日の金利を8% 税率を40%と仮定することとします。

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無借金企業V1  借金 企業V2

 

営業利益     20         20
利払い       0      50X0.08=4
税引き前利益     20         16
税金          8      16X0.4=6.4
当期利益(株主)   12            9.6
株主+債権者       12           13.6         ←企業価値の源泉!

企業価値(年間)

13.6-12=1.6の差 これが節税効果にあたります。
企業価値とは債権者+株主ですので、上記表から無借金企業V1は株主分の12 借金企業は株主9.6+債権者4=13.6となり、負債を持つ方V2企業の方が1.6だけ企業価値が大きいということになります。確かに計算ではそうなりましたねー。

法人税τが存在する場合

営業利益 P 金利 r  借金 D 税率 τ(ただし投資と減価償却が等しいと仮定)

V1=P(1-r)

V2=(P-Dr)(1-τ)+Dr→この式を分解すると、P(1-r)+Drτ つまりV2企業はV1企業よりも
Drτ 分だけ企業価値が大きいということなんですね。

V1+Dτ=V2 

つまりMM理論から見れば、企業価値とは債権者+株主価値であり、借金システムがより高い企業価値を生み出すことになります。

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