2009年7月アーカイブ
企業の無借金経営と借金経営 どちらがいいのでしょう。
誰に聞いても無借金経営の方がいいに決まっていると答えるでしょう。私もそう答えます。
しかし先日ファイナンスの本の中に出てきた「MM理論」。この理論によると企業の無借金経営よりも借金システムがより高い価値を生み出すというものでした。
MM理論とはモジリアーニとミラーによって提唱された定理で、「法人税を無視すれば企業価値は資本構成や配当政策によって変化しない」という定理です。また、株式の払い戻しは配当の支払いと同じ効果を持つとするものであります。ただし、完全市場の前提に立つ理論であることから、完全市場でない現実のマーケットにおいては、結果的にはアービトラージの概念がどれだけ企業価値に影響するかを示すと読み替えられます。モジリアーニ・ミラーの定理で、法人税を考慮した場合、(有利子負債の調達レート以上の利益を獲得できる限り)負債による資本調達を行った方が、節税効果分、企業価値が高くなる事になります。
実際に計算してみました。上記の文章で出てきた企業価値とは債権者と株主を足したもののことです。本日の金利を8% 税率を40%と仮定することとします。
無借金企業V1 借金 企業V2
営業利益 20 20
利払い 0 50X0.08=4
税引き前利益 20 16
税金 8 16X0.4=6.4
当期利益(株主) 12 9.6
株主+債権者 12 13.6 ←企業価値の源泉!
企業価値(年間)
13.6-12=1.6の差 これが節税効果にあたります。
企業価値とは債権者+株主ですので、上記表から無借金企業V1は株主分の12 借金企業は株主9.6+債権者4=13.6となり、負債を持つ方V2企業の方が1.6だけ企業価値が大きいということになります。確かに計算ではそうなりましたねー。
法人税τが存在する場合
営業利益 P 金利 r 借金 D 税率 τ(ただし投資と減価償却が等しいと仮定)
V1=P(1-r)
V2=(P-Dr)(1-τ)+Dr→この式を分解すると、P(1-r)+Drτ つまりV2企業はV1企業よりも
Drτ 分だけ企業価値が大きいということなんですね。
V1+Dτ=V2
つまりMM理論から見れば、企業価値とは債権者+株主価値であり、借金システムがより高い企業価値を生み出すことになります。
弟の素戔嗚尊(すさのおのみこと)の乱暴な行為に怒って、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩屋にこもると、世の中が真っ暗になり、困り果てた神々が一計を案じ、岩戸を開けて、大神を外へ連れ出すと、世の中がもと通り明るくなった。
天照大神の「岩戸隠れ」の神話より
物語りの中で、世の中が真っ暗になったのは「皆既日食」ではないかと言われています。
今日は皆既日食でしたね。皆さん見ることはできましたか。大阪でも部分日食が見れると期待していましたが、朝からどんより曇り空。望みを託して会社の屋上から空を眺めていると、雲の切れ間から見えました! うっすらと。デジカメでパシャリ!
次に日本の陸地から皆既日食が見られるのは2035年9月2日 26年後です。
26年後世界はどう変わっているのでしょうかね。26年後に乞うご期待!!
今週の1冊は「イノベーションの経営学」です。
イノベーション戦略の重要性、イノベーションを実現するためのメカニズムなど、企業の競争力の核心となるイノベーションのマネージメントについて、丁寧に解説しています。
「イノベーション」て一体何なんでしょう。新しい製品の開発のことでしょうか。何か物凄い発明のことでしょうか。
一概に「イノベーション」といっても2つのタイプに分けられます。
1.組織が提供するもの(製品やサービス)自体の変化
2.それらが創造され利用者のもとへ届けられる方法の変化
1をプロダクトイノベーションといますが、プロダクトイノベーションの例をあげますと、蒸気機関やコンピュータ、飛行機、ハイブリッドカー、青色発光ダイオードなど様々な画期的な発明があげられます。
一方2のプロセスイノベーションには、インターネットを利用したATMサービスや、ネット旅行代理店、トヨタ生産システム、ポカリスエット(薬品→スポーツ飲料に)などがあげられます。
このブログなんかも、コンピュータやインターネットの開発というプロダクトイノベーションから進化したプロセスイノベーションの産物なのでしょうね。
イノベーションの経営学
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NTT出版
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皆さんこんにちは。昨日は休みを有効利用して、ダイハツ工業㈱ 軽車両開発本部長 執行役員 福家さんによる「軽自動車における標準化戦略」という講演を聴いてきました。
そもそも「標準化」ってよく使いますけど何なんでしょうかね・・。標準化とは製品などの形状・寸法・測定・試験方法などを、標準に従って統一することなんですね。では標準に従ってとは・・世界には標準なんてたくさんありますが、簡単に分類しますと、
国際規格・・ISO、IEC、ITU-T
↑
地域規格・・CEN、CENELEC
↑
国家規格・・ANCI、BSI、JIS、JAS
↑
地方規格・・ASME、IEEE
↑
会社レベル・・社内標準
代表的なものにISOがありますが、ざっと説明するだけでもこれだけ存在するのですね。みなさんが使うコンセントやUSB、乾電池といったものもちゃんと標準化されています。種類の無秩序な増加を制約したり、在庫管理の効率化を図る上で標準化は役割を果たしています。しかし上記ISOやらJISは規格であって法規ではありません。つまり強制力がないので罰則規定もないということなんですね。ただしJISが法規に引用される場合があります。「ガス事業法」や「労働安全衛生法」や「消防法」などが一例です。当然JISに法規が引用されれば強制力が伴ってきます。現在ではJISが177の法規に引用されているようです。皆さんも担当している業務において関係する法規を調査し、把握しておくことは、事故の未然防止という観点からも必要なことではないでしょうか。
皆様お待たせしました。6月までのNi,Cr,Mo,Scrap推移グラフを更新しました。
http://sus-yamatoku.co.jp/subcontents/molybdenum.html
また日々のニッケル動向を知りたい方はLMEのホームページをご覧ください。LEMはロンドン金属取引所と呼ばれる非鉄金属専門の商品取引所。ここで取引されるLMEニッケル価格がニッケルを取引する際の国際的な価格指標となっています。
http://www.lme.co.uk/nickel.asp →をクリック。次に「CASH BUYER」のところをご覧いただければ日々のNi動向がわかります。
ニッケルは最近じわじわと上がってきております。↑ 目先コモデティー価格もそろそろ大底を打った感じがしてきました。



今日はウィキペディア(Wikipedia) についてのお話ですが、社会人や学生の皆さんが調べものや、論文、レポートを書くときにウィキペディアを活用していますか。ウィキペディアは2001年に開始されたネット上の誰もが自由に編集に参加できる百科事典です。どの項目に対してであれ、誰でも自由に加筆、修正ができます。ですから今私が加筆、修正してもウィキペディアから見れば誰が修正したかわかりません。ウィキペディアは今の私を含む不特定多数無限大の人々の行為を集積することで、この百科事典を作り出す場になっているわけです。厳密に言えば、今日のウィキペディアと明日のウィキペディアは違います。
百科事典や辞書などは権威ある学者や専門家は指揮をとって作るリアル世界のプロジェクトとすると、ウィキペディアは「誰でも参加型の百科事典」でコストゼロ空間たる純粋なネット空間で起きている「オープンソース現象」の1つです。
しかしリナックスに代表されるオープンソースプロジェクトは、参加は自由でありますが、素人がコードを書いたからと言ってすぐにそれが採用されてリナックスに組み込まれるわけではありません。不特定多数者から送られてくる無数のコードから信頼に足りるものを選びリナックスに組み込んでいくのです。ウィキペディアはというと、入口での審査はしないけど常に書きんだ内容をウオッチしているボランティアがいて内容によっては修正されます。ですから修正が発見されないひどい文章に出会うこともあります。言い換えれば、百科事典や辞書に比べれば信頼性に問題ありなのではないでしょうか。
ウィキペディアが目指すのは「そこそこ」の信頼性で「完璧」ではないのでしょう。これからも「コストゼロ」でそこそこの信頼性で進化を続けるウィキペディアは、ちょっとした調べ物をするときに参考にする程度、Good enough (そのくらいで十分)という捉え方をしていたほうがいいのではないでしょうか。
コンピュータの性能って凄いですね! と最近感じました。
1982年日立が開発したスーパーコンピュータS-810。気候予測や核融合シミュレーション、遺伝子解析、航空機設計など、通常のコンピュータでは数十年単位の時間がかかるような複雑で大規模な計算を高速に処理するために作られた超高性能コンピュータ。当時のメモリーが256メガバイト。価格はレンタルで月々約7千万なり。たったの256メガバイトですよ・・。256メガバイトてどのぐらいかというと、下の表を見てください。
記憶装置を表す単位について
1K (キロ ) =1000
1M (メガ ) =1000K
1G (ギガ) =1000M
1T (テラ) =1000G
1P (ペタ) =1000T
1E (エクサ)=1000P
1Z (ゼタ)=1000E
1Y (ヨタ) =1000Z・・・どこまで続くんでしょうか。
ノートタイプのパソコンでも、ギガ単位でメモリもってますから、今のコンピュータは昔の何千万とする大型のスーパーコンピュータより遥かに高性能なんですよね。ゼタ、ヨタなんて単位ありますが、仕事ではここまでの容量はまず使わないと思いますが・・。
メディア種別で分けると、よくわかります。
フロッピー 125KB/s → 例えると・・ カメ? 時速5m/h
USBメモリ 25MB/s よっぱらい 時速1Km/h
HDD 50MB/s 歩行 時速2Km/h
主メモリ 6.4GB/s 新幹線 時速256km/h
これからの未来メモリーがますます大きくなるとDVDレコーダーやブルーレイレコーダーなんていらなくなるかもしれませんね。365日すべてのテレビをまるまる録画できる時代がくれば、一部の番組を録画するなんていう習慣や概念がなくなるでしょうね。まさに破壊的イノベーション到来な予感です。
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